海洋生物多様性の理解を 確かな保全につなげる

レポート

絶滅の危機に瀕する生態系

温室効果ガスの絶え間ない増加は、海を含む地球全体の温度上昇をもたらし、特定の地域では酸素損失や酸性化など、他の連鎖的な影響を引き起こしています。これらの異常は、海洋生態系と、生態系サービスが人類に与える恩恵に大きな影響を及ぼしています。

人口やインフラに影響を与える洪水被害の問題だけでなく、生物多様性の損失は気候変動による深刻な緊急事態であり、有効的かつ持続可能な開発でしか対処できない問題なのです。

  • 80 % 海洋生物のうち微生物の割合
  • 50 % タラ号が採取した生物のうち、未知の生物の割合
  • 30 % 日々排出される二酸化炭素のうち、海洋とその生態系が吸収している割合
  • 50 % 1日につくられる酸素のうち、海洋微細藻類によって供給されている割合
© Jonathan Lancelot

私たちの探査プロジェクト

タラ号ミッション・マイクロバイオーム

進行中プロジェクト

見えない海の生命をより深く理解する

2009年以来、タラ号での調査により多くのプランクトン種とその遺伝子、形態が突き止められ、国際学術界で共有されてきました。今回の新しい探査では、グローバルな観点から、海洋生態系全体を見据えた取り組みを行います。

そのためには基本である、生態系の最初のリング・マイクロバイオーム(微生物叢)に立ち返る必要があります。

タラ号太平洋プロジェクト

分析進行中

地球温暖化に直面するサンゴ礁

過去最大規模のサンゴ礁探査で、スクーナー船タラ号とチームは太平洋を東から西に航海し、2016年から2018年にかけて30カ所のサンゴ礁を調査しました。このミッションの目的は、サンゴ礁の生態系の抵抗力、適応力、回復力を発見し、まだ知られていない新しい生物種を発見し、その成果を未来の医学研究にも生かすことでした。

プロジェクトをみる
  • 100,000km母港ロリアンからの航行距離

  • 35,0002年間で採取したサンプル数

ロマン・トゥルブレ(タラ オセアン財団エグゼクティブ・ディレクター)

初期の観測結果から、サンゴ礁がそこに棲む生物群集に与える機能・恩恵の未来は、パリ協定の遵守はもちろんのこと、短期的には各サンゴ礁地形のもつ浄化・バリア能力によっても左右されることが分かっています。

知っていますか

海洋の生物多様性はわずか5%しか分かっておらず、地球上の生命の鍵を握る水中生物の分析・解明が不可欠なのです。

プロジェクトをもっとみる

アーカイブ

タラ号海洋プロジェクト

海洋プランクトンの多様性を綿密に調査したプロジェクト。

タラ号海洋プロジェクト

2009 – 2013

アーカイブ

タラ号太平洋プロジェクト

サンゴ礁の生物多様性と、気候変動や人間の存在に伴うその進化を検証する。

タラ号太平洋プロジェクト

2016 – 2018

当財団の刊行物

タラ オセアン ジャパンのパートナー

メインパートナー