環境汚染に直面する 海洋生物多様性のための闘い

レポート

プラスチックが溶けている生物多様性

北は北極から南は南極まで、そこが外洋であろうと、沿岸海域であろうと、河川であろうと、世界中いたるところで、私たち人間の手による汚染は深刻さを増しています。プランクトン採取用ネットの細かい網目のフィルターに引っかかるマイクロプラスチック、海底に堆積したプラスチック、そして目に見えない危機的な化学汚染。その規模の大きさから、これは今世紀の喫緊な課題であると言えます。

海はこの汚染問題の解決策が人間の住む陸地にあることを教えてくれます。そして、持続可能な開発、特により倹約的で循環型の経済の重要性を我々に訴えています。

  • 93 % 海のプラスチックごみのうち5mm以下のものの割合
  • 100 % 陸上における化学汚染は海に蓄積される
  • 毎年100万トン プラスチックが海に捨てられている
  • 40 % 河川で発見されたプラスチックのうちポリスチレンの割合
© Samuel Bollendorff

私たちの探査プロジェクト

Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査

進行中プロジェクト

日本沿岸のプラスチック汚染と沿岸生態系への影響

マイクロプラスチックのホットスポットと予測されている日本沿岸ですが、マイクロプラスチックのデータはまだまだ足りません。全国の大学所属の臨海実験施設の連携組織・マリンバイオ推進機構JAMBIOと連携し、2020年より日本沿岸海域のマイクロプラスチック汚染の実態を調査を開始しました。

 

タラ号マイクロプラスチックプロジェクト

分析進行中

プラスチック汚染に立ち向かう

プラスチック廃棄物の流れとその発生源を理解するために、川の源流を探査しています。

  • 9調査したヨーロッパの主要河川

  • 全3,500採取したすべてのサンプルが汚染されていた

ジャン=フランソワ・ギグリオンヌ(プロジェクトディレクター )

初期の調査では、都市部の上流の河川も含め100%の採取サンプルにマイクロプラスチックが含まれていることがわかりました。また、これらのプラスチックは、生物多様性に影響を与える汚染物質の吸着剤となっていることも明らかにしました。これらのマイクロプラスチックは小さすぎて回収できないため、その解決は容易ではありません。

知っていますか

「生分解性プラスチック」には大きな誤解があり、完璧な生分解性プラスチックというものは存在しません。例えば、60℃以上の業務用コンポスターが必要なのにこの名称がついたプラスチックが存在します。

プロジェクトをもっとみる

進行中プロジェクト

タラ号ミッション・マイクロバイオーム

海洋の生物多様性のあらゆる側面に存在するマイクロバイオームの謎を解き明かす。

タラ号ミッション・マイクロバイオーム

2020 – 2022

アーカイブ

タラ号海洋プロジェクト

海洋プランクトンの多様性を綿密に調査したプロジェクト。

タラ号海洋プロジェクト

2009 – 2013

当財団の刊行物

27/05/2022

The streaming of plastic in the Mediterranean Sea

Baudena, A., Ser-Giacomi, E., Jalón-Rojas, I. et al.

14/05/2022

An integrative assessment of the plastic debris load in the Mediterranean Sea

Pedrottia, M.L,. Lombarda, F,. Baudena, A, et al.

タラ オセアン ジャパンのパートナー

メインパートナー