海洋の健全化は人類の未来にとっての大きな課題
海洋とその生物資源の保全は、今や世界にとって大きな課題となっています。
この人類共通の利益と、生態系が提供するサービス(気候調節、酸素の生産、食料安全保障など)を守るためには、各国による迅速かつ協調的な気候変動対策が求められます。また、海洋の保護と持続可能な利用を確保するための適切な国際的法的枠組みの構築も優先事項です。
これらの課題を解決するために、気候、生物多様性、公海、プラスチック汚染との戦いに関する国際フォーラムや国際交渉において、市民社会の役割は極めて重要です。
- 30 % 人間活動により排出された二酸化炭素のうち、海洋で吸収される割合
- 50万~1000万超 生息していると考えられている海産生物種の数。しかし、そのうち確認されているのは28万種に過ぎない。
- 64 % 地球全体の海における公海の割合(内、保護されているのはわずか1%)
- 52 % 絶滅の危機に瀕しているサンゴの52%がフランス領海で生息している
海洋生態系を理解し、より良い海洋保全につなげる
タラ オセアン財団は、環境政策に役立つ高度な科学的専門知識を提供することを目的としています。
さまざまな国際会議や交渉の場で、海洋生態系の保全、持続可能な管理、気候調節のためには、海洋生態系を理解することが重要である事をアピールしています。
2015年以降、国連における特別オブザーバーとしての地位のおかげで、当財団は、海洋に寄与する重要な決定に関して、世界の指導者たちが高い目標を掲げるよう働きかけ、支援する活動を続けています。
パリ協定とSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の実施に関連して、各国がより多くの行動を起こすことを奨励する
海洋の生物多様性保護に関する文書や行動において、海洋マイクロバイオームの重要性を強調し、2030年までに海洋の30%を保全するという目標を支援する
公海の生物多様性の理解と保護を、法的拘束力のある国際条約にまとめる
強い意志で世界に働きかける
2015年以降、国連における特別オブザーバーとしての地位のおかげで、当財団は、気候、生物多様性、公海、汚染(特にプラスチック)に関して野心的な目標を維持するよう世界の指導者たちに働きかけ、海洋に寄与する重要な決定を支援する活動を続けています。
海洋と気候
海洋は地球温暖化防止に重要な役割を担っているにもかかわらず、これまで気候変動に関する議論では、熱帯林の保護に関連した “グリーン “一色の議論が行われてきました。
しかし、交渉の場で議論される問題や課題に、海洋を組み込むことは、今や本当に不可欠なことなのです。
当財団は、気候変動の影響に関する意識向上と意思決定者への働きかけにこれまで以上に取り組んでいます。2015年のCOP21において立ち上げた「ビコーズ・ジ・オーシャン(Because the Ocean)」イニシアティブでは、国レベルでの具体的な行動において、海洋問題を考慮するよう各国に働きかけています。
海洋と生物多様性
海洋生物多様性の保全は、歴史的に、クジラ、サメ、クロマグロなどの大型の象徴的な種の保全のために展開されてきました。
現在では、海が提供する生態系サービスのほとんどを提供する、目に見えない生物である海のマイクロバイオームも大切にする必要があることがわかっています。
当財団は、海洋保護区の定義や気候変動が漁業資源に及ぼす影響の予測といった海洋生物多様性保護プロセスにおいて、国際交渉担当者にあまり知られていないこのマイクロバイオームの概念を、より可視化するための活動を行っています。
そして、タラ号太平洋プロジェクトにより、サンゴ礁の健康状態についてより詳細で革新的な情報を提供することで意思決定者を導こうとしています。
公海
スクーナー船タラ号は、任務の間、常に公海域を航行します。未だ研究の少ない公海を解明するために築かれてきた船上での科学は先駆的であり、現在では国際的に認知されています。
しかし、沿岸や国家管轄権から遠く離れた公海は、海洋生物多様性にとって未だ法的な空白が存在します。
この法的空白を埋めるために、国連は2012年から、海洋の3分の2の生物資源を保護・管理する条約を制定するための交渉を行っています。これは、国際社会にとって科学、経済、環境保全のための重要な課題です。
国連の特別オブザーバーとして、当財団は2012年からニューヨークでの交渉に同行しています。タラ号の政策提言チームでは、科学者と政治的意思決定者が将来の条約について意見交換する会合に合わせて、各国の代表団に送る文書を科学者とともに作成し、カンファレンスを開催しています。
お知らせ
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グローバルな解決策を見出すために、どのように行動すればよいか
タラ オセアンが参画する海洋保全のためのネットワーク
海への責任を、誰と共有するか